乾燥と言い間違いの話
乾燥の季節である。
ここであったが百年目。女性の一生の敵である。
それは子供にとっても同じで、若いと肌が違うわよね、きめ細かいしきれいだわとよく言うが、実は放っておけばすぐカサカサになってしまうので世の中のお母さんは自分に子供に、と大変苦労することだろう。
うちのゆうだいくんも肌こそ色々塗ったくってやっていたのですが、まさかまさかの盲点、唇が切れてしまったのである。
小さな傷でも裂けてしまっているし、唇って何かの拍子にすぐ切れて意外と痛いんですよね。
すぐに薬用リップクリームを塗っておく。ひと安心。
ともいかないのである。子供だから塗ったところをすぐぺろぺろぺろぺろ…なくなった!ってことに。それをそのままにしておくとまた切れる…これは長い戦いになりそうだ。
ここで気になるのはゆうだいくんの言い間違いの話。
「くちびれがまたきれた」
くちびれなのである。何度直してもくちびれなのである。
これが私の浅すぎる笑いのツボにはまってしまうともうリップクリームどころでないのである。
ゆうだいくんには直らない言い間違いがたくさんある。例えば佐川急便。それを彼は「さわが」と呼ぶ。佐川男子もびっくりである。
子供にはこう言った言い間違いが大量発生するので私は日々の楽しみ方のひとつに「言い間違いリスト」と言うものがある。
何が言いたいかと言うと、子供の記録は多いにこしたことはない。
いつかゆうだいくんに「くそばばあ」と言われる日が来るかもしれない。だがそのくそばばあは知っている。
「君はその昔、ダンプカーを“ダプンカー”と呼んでいた」
その事実を知っている、覚えている。それだけで私はいきがる若者の1つ上にいることができるのだ。自分が覚えていない自分の恥ずかしい話をされるときの何ともわからないあの気持ち。
父いわく私は小さいときの馬の歩く音。それは「おうまさんカパカパ」だったそう。だからなんだ。だからなんなんDA。
まあそういう趣味を持てるのも親の特権と言うものだ。ぜひともおすすめ。言い間違いリスト。
ちなみにゆうだいくんの馬の歩く音は「おうまさんパッパカ」だそう。だからなんだ。