芸術の森へ行って絵心を学んできたはずの話
札幌芸術の森へ行ってきた。はこまちという名の段ボールに子供たちが自由にクレヨンないし色鉛筆で自由に落書きできるスペースだ。
紫のクレヨンを手にしたゆうだいくん。歩き回って何やら印をつけている。そこには落書きを楽しむ子供はいなかった。まるで、道路工事する際にアスファルトに印を入れている作業員なのだった。
私は特にすることもなくぷらぷらと売店の画材やそこらじゅうの落書きを眺めていた。小学生くらいの子供になるとちゃんと絵になっている。色とりどりであしらわれた女の子や車が散りばめられていた。
こういう場にくるとインドア派でいつもは活躍できないお父さんお母さんが本気を出す。やたらと絵がうまい親御さんがいるのだ。
子供は絶対わからないだろう、はたまた子供に放っとかれて暇すぎた絵師のお遊びなのか。やたらとクオリティーの高いザクがそこにあった。
至るところにアンパンマンやジバニャン、ドラえもんなどの比較的描きやすいイラストがあったので、ここは私も何か描かなければ。そう思い、ピカチュウを描いておいた。ただしムキムキマッチョのボディービルピカチュウだ。
ゆうだいくんの絵は抽象的だった。
車を描いてもらったのだが、車体とタイヤがはずれていたし、車の窓ガラス、ドアが車体の外にあった。
はたからみると丸の羅列。ミステリーサークルにしか見えなかった私は頭が固いのだろうか。
枠にはまったものしかかけないよりは好き勝手自由に描いたらええねん、そう思い混んでおくことにしよう。
一日でクレヨンの半分を使うという恐ろしい消費量に驚いたが、それ以上にゆうだいくんの紙を殴り付けるかのような筆圧に納得した。
うちの画伯はこれから絵に目覚めていくのか、このまま絵心0への道へ突き進むのかそれは誰にもわからないのであった。